2016年5月28日土曜日

横井弘三展 @練馬区立美術館

念願の横井弘三展に行くことができました。
二期会に半旗を翻し、絵は売るものではないという信念を貫き通した
日本のアンリ・ルソーと称される画家です。

私は「1920年代の童画展」で初めてこの画家の作品に出会いました。
「こどもの友」に掲載された挿絵でお鍋や包丁などの
台所用具たちがニコニコと水浴びをしているという楽しい作品。
私も冷蔵庫でも鉛筆でも何でも
イラストにすればつい顔を描いてしまうので
気が合う!と嬉しくなりました。
そして当時、イラストの世界を目指そうか、目指せるのか
迷っていた気持ちがぱっと晴れ、
ここに私の目指すものがあるじゃないかと感じたのです。
今回は、その作品は展示されていませんでしたが
「おかしの運動会」という挿絵がありました。
駄菓子たちがワーイワーイと楽しんでいる声が聴こえてきそうでした。

童画はこの横井弘三の画業のほんの一部分で、
今回の展覧会で初めて大量の油彩、焼き絵を観ることができました。

彼の絵には動きがあるのです。静かな風景画であったとしても、
夜の街灯のまたたき、川に浮かぶ舟の揺らぎ、山村に暮らす人々の営み
生きていることの美しさが画から溢れ出ている。
一つ一つの作品は、大らかさを表現しようとする意図はないと
思われるのですが(むしろバリバリの闘志が)、
見て行くうちに、なんとも大らかな幸せな気持ちに包まれました。
戦後、悲しみにしずむ日本を元気づけようと
ひまわりの絵をたくさん描いたそうです。
展示後半の壁にはそのたくさんのひまわりが咲きほこって
現代の私たちにもエールを送ってくれていました。
会場で買ったひまわりの絵はがきを部屋に飾って
パワーをもらおう!

会期は6月5日まで。
近かったらもう一度行きたいんだけどな〜。
それにしても、こんな美術館がある練馬区ってすごい!
横浜も頑張ってほしいものです。


横井弘三、展覧会について

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